初診の方へ
メディカルトリートメントモデル(MTM)とは,イエテボリ大学名誉教授の Krasse が提唱する新しい歯科医療のあり方です。医療の観点を歯科医療に取り入れるべきというもので、医療では当たり前の手順を唱えています。患者さんの訴えを把握し、必要ならば検査を行い,疾患の原因を取り除き、症状を軽減させる。さらに,治療結果をモニタリングし,再発予防の要所の処置を講ずるというものです。
簡易的に説明しますと、しっかりとした病気のリスク評価をした上で、患者様お一人お一人に合わせた予防プログラムの立案、最小侵襲治療を行い、定期的なメインテナンスに至るまでの一連の流れです。
あかまつ歯科クリニックの特徴である、メディカルトリートメントモデルは、生涯健康な歯を保ち、豊かな生活を送って頂くための、新しい治療の考え方。こちらでは、初めて来院いただいてから、メインテナンスに至るまでの治療の流れを小児の場合と成人の場合に分けてご説明します。
小児診療の流れ・・・MTM
1回目 初診での来院(診療目安:約30~45分)
1.受付・問診・視診
先生と衛生士がお子様と保護者様にお話をお伺いします。
2.口腔内診査
実際にお口の中を見て検査します。
3.口腔内写真(必要に応じて)
来院時の口内の状況を視覚的に確認できるように口腔内写真(必要であれば顔写真も)を撮影します。
※必要に応じて、レントゲン撮影をします。
4.先生の診察
すぐに治療が必要な歯があった場合には応急処置を行います。
5.現状の説明
先生と衛生士から現在のお口の状態について説明致します。また、唾液検査の必要性についても説明致します。
その日に、検査した結果をいつでも確認できるようにデータとして入力します。
6.PTC・PMTC、フッ素
唾液検査に同意されず、むし歯がなく口腔清掃状態良好な場合、当日フッ素を塗布する場合もあります。
2日目 唾液検査、PTC・PMTC(診療目安:約45~60分)
※唾液検査は同意された方のみ
1.サリバテスト(保険外診療になります。)
個々のお子様のう蝕のリスクを把握するために、唾液の検査を行います。
※小学生未満はう蝕の原因菌のみ
2.データ入力
当日行った治療内容のデータを入力します。
3日目 結果の説明(診療目安:約30~45分)
1.結果の説明
唾液検査の結果、食事指導、ホームケア、今後の予防プログラムの説明を行います。
2.TBI・ホームケア指導
虫歯の一番の予防は歯磨きです。小さな頃から正しい歯の磨き方をお子様におぼえて頂ける様に歯磨き指導を行います。
※磨き残しチェックを行い仕上げ磨きの指導も行います。
3.PTC・PMTC
専用の器具を使い、歯のクリーニングを行います。普段の歯磨きでは取りきれない汚れをきれいにします。
4.データ入力
当日行った治療内容のデータ入力をします。
※お子様の状況や、口腔内の状況に応じて回数が異なります。
4日目 治療(3日目と同日に行う場合があります。)
1.治療
必要に応じて治療を行います。
5日目 再検査と今後の相談
1.口腔内診査
全ての治療終了後、再びお口の中をみて検査を行います。
治療した方、汚れの多い方など口内状況を再チェックします。
2.TBI・ホームケア指導
虫歯の一番の予防は歯磨きです。小さな頃から正しい歯の磨き方をお子様に覚えて頂ける様に歯磨き指導を行います。
※磨き残しチェックを行い仕上げ磨きの指導も行います。
3.PTC・PMTC
専用の器具を使い、歯のクリーニングを行います。普段の歯磨きでは取りきれない汚れをきれいにします。
4.フッ素塗布
フッ素を歯の表面に塗り歯を強く丈夫にします。
5.説明と今後の相談
来院時に毎回入力されているデータや写真を使うことで以前と比較して、口腔内の環境がどのように改善されているかをお子様とご両親の方にご説明します。
※今後について予防プログラムを再確認します。お疲れ様でした。次はメインテナンスへ入ります。メインテナンスは1~3ヶ月毎です。お子様それぞれのお口の中の状況(虫歯・汚れ)年齢に応じて相談させていただきます。
※治療歯が多い場合、もしくは最初の唾液検査でカリエスリスクが高い方は、もう一度唾液検査を行い、リスク評価を行ってからメインテナンスへ移行します。
成人診療の流れ・・・MTM
1回目 初診での来院(診療:約60~90分)
1.受付
治療で初めてご来院の方も、検診で初めてご来院の方もまず受付に申し出てください。
初日の診療では多少お時間をいただきますので、あらかじめご予約の上でご来院ください。
2.問診票記入
来院後、まずは問診票の記入をしていただきます。
※当院では、システム内での情報の共有・連携を目的に、問診タブレットを導入しております。
コンピューターが苦手な方に、問診用紙も用意しておりますが、できるだけ問診タブレットでのご入力お願い致します。
3.チェアサイドで問診
ご記入いただいた問診票を確認しながら、医師または衛生士が問診を行います。
4.口腔内写真撮影
診療前の口内の状況を視覚的に確認できるように口腔内写真を撮影します。
5.エックス線写真撮影
さらに的確な診断を行うためにX線写真(レントゲン)を撮影します。
※エックス線写真撮影は、初診の方、もしくは1年以上空いて来院されたメインテナンス目的の方は必ず行います。よって、HPに記載してある順序と前後するかもしれませんが、ご了承下さい。
6.口腔内診査および歯周基本検査
お口の中の記録をとります。
また、歯を失う大きな原因となっている歯周病についても検査を行います。
7.口腔内状況の説明
レントゲンや口腔内写真、口腔内診査、歯周病検査の情報を元に、お口の中の現状について説明致します。
8.応急処置
急性症状がある歯、何かしら処置が必要と歯科医師が判断した場合、痛みを止める・和らげる処置をします。
9.担当歯科衛生士紹介
患者さんの口腔内の管理を行う担当の歯科衛生士を紹介します。
歯科衛生士はう蝕、歯周病の予防における専門家です。
来院した際にはその患者さんの担当衛生士が治療を行います。
10.TBI(2回目になる場合もあり)
担当衛生士より、正しい歯磨きの仕方について指導します。わからないことや疑問があればお答えします。
※歯磨きがしっかり出来ていなかったり、磨けていると思っていたのに実は間違った磨き方をしていたり、歯磨きによる虫歯の原因もさまざまです。ここでまずは正しい歯磨きを確認してください。
11.診療体系説明
唾液検査の必要性を含む、当院の診療体系をご説明致します。
12.データ入力
その日に実施した診療の結果をいつでも確認できるようにデータとして入力します。
初めて来院いただいた日にわかった情報をもとに、ひとりひとりの患者様にあった予防プログラムを立案します。
おつかれさまでした。初日に診療はここで終了です。
2日目 唾液検査・歯周初期治療(診療目安:約60分)
1.サリバテスト
個々の患者様のう蝕、歯周病のリスクを把握するために、唾液の検査を行います。
2.カリエスと歯周病成困説明
その患者様のう蝕、歯周病の原因やそれぞれの原因の危険度についてこちらでご説明します。
3.スケーリング(歯石除去)・PMTC・TBI
普段の歯磨きではとることができない歯石や着色を除去します。また、再度歯石が付きにくいようにTBI(口腔清掃指導)もしっかりと行います。
3日目 唾液検査結果説明・治療方針説明(診療目安:約30分)
1.唾液検査結果説明
科学的リスク診断ソフト”カリオグラム”を使用しながら、むし歯のリスクについて説明致します。その結果に合わせて、今後のむし歯の予防方法をご提案致します。
2.治療方針説明
全ての検査結果から、今後の治療方針、治療の流れを説明致します。
*早急に治療すべきむし歯がある場合は、再評価の前に治療する場合があります。
3.OHIS結果報告および健康ファイル配布
アメリカのデータベースを参考にした歯周病リスクソフト(OHIS)の結果を説明致します。また、今までの検査結果やお口の知識が満載の健康ファイルをお渡しします。
4日目 再評価(診療目安:約30分~60分)
1.再評価
初期治療が終わったのでここで再度、歯を失う大きな原因となっている歯周病について検査を行います。今までの治療で病状が改善されているかを確認します。
2.口腔内写真撮影
治療前(初期治療前)と治療後(初期治療後)の状態をしっかりと把握できるように、治療が終わったところで再度口腔内写真を撮影します。
3.検査結果説明
今までのデータを考慮しながら、検査結果と歯周病の原因を予防していくための分析、検査結果を説明します。
その後、歯科治療が必要な場合は説明を行います。
*歯周病の再評価(再検査)は前回受診日から1週~2週くらい期間があると評価が効果的です。
*歯周病の再評価(再検査)の結果、さらに深い歯石除去(SRP)を行うことがあります。
*SRPは、治療前もしくは治療と同時に3~6回行います。
*歯周病の状態に問題なく、治療が必要でない方は、フッ素を塗布してこのままメインテナンスに移行致します。
4.場合により治療
早期に介入しないとホームケア、歯周病治療の効果が得られない場合、最終処置手前まで治療をする場合があります。
例)不適切な詰め物を外し、むし歯を取り除きセメントで形を整えてフロスを通せる形にする、等・・
5日目 治療(診療目安:約15分~)
1.治療
必要に応じて虫歯の治療を行います。
※口腔内の状況に応じて、治療の回数は異なります。
※前回の結果、さらに深い歯石除去(SRP)が必要な方は、SRPのみのアポイントで来院していただくか、必要な治療と同時にアポイントを取って頂き、実施致します。
6日目 再評価(診療目安:約60分)
これまでもご説明してきました通り虫歯を治療し、歯をキレイにしたとはいえ歯磨きだけではどうしても取れない歯の汚れは取れません。これからの一生のパートナーでもある、自分の歯を今後は定期的にメインテナンス(衛生士による歯のお掃除)をしなければいけないのです。
※重度の歯周病の方には、歯周外科という小手術をご提案させていただきます。
1.再評価
歯を失う大きな原因となっている歯周病について検査を行います。今までの治療で病状が改善されているかを確認します。
2.TBI・ホームケア治療
前回行った歯磨き指導がきちんと行われているか、改めて歯磨き指導を行います。
3.PMTCとフッ素塗布
専用の器具を使い、歯のクリーニングを行います。普段の歯磨きでは取りきれない汚れをきれいにします。また、フッ素を歯の表面に塗り歯を強く丈夫にします。
4.口腔内写真撮影
診療前の口内の状況を視覚的に確認できるように口腔内写真を撮影します。
5.データ入力
当日行った治療内容のデータを入力します。
6.説明
治療時に毎回入力されているデータや写真を使うことで以前と比較して、口腔内の環境がどのように改善されているかをご説明します。今後の予防治療についてプログラムを再確認します。
※おつかれさまでした。これですべてが終了です。次はメインテナンスへと入ります。
7.メインテナンス(4ヶ月~)へ
ここからが皆さんのお口の健康を守る本当のスタートです。