歯並びを整えながら
「全身の健やかな成長を促す」矯正
骨格を整える
「成長発育矯正(顎顔面矯正)」
歯並びを整える他に、以下のメリットもあります。
- 後戻りしにくい
- 喘息の改善
- 鼻詰まりの改善
- いびきの改善
- アトピーの改善
Aさん (1年11ヶ月)上顎
前歯
下顎
上顎
前歯
下顎
Bさん (2年9ヶ月)上顎
前歯
下顎
上顎
前歯
下顎
Cさん (4年2ヶ月)上顎
前歯
下顎
上顎
前歯
下顎
歯並びを整える他に、以下のメリットもあります。
上顎
前歯
下顎
上顎
前歯
下顎
上顎
前歯
下顎
「成長発育矯正(顎顔面矯正)」についてお話しする前に、「歯並びの悪い子どもが増えている理由」を説明させてください。
これは一言でいえば、「あごの骨」が昔に比べて小さくなっているせいで、歯が生えるのに十分なスペースを確保できなくなっているからです。
現代の子どものあごが小さくなっている原因は、「軟食化」と「咀嚼回数の減少」です。
例えば、3人掛けのベンチに5人で詰めて座ったら、はみ出す人が出るので凸凹してしまいますよね。歯も同じです。歯の本数は決まっているのにあごが小さくなれば、きちんと並ぶことが難しくなり、がちゃがちゃになってしまいます。
一般的な矯正治療は、この状態の歯を無理やりに整列させようとするものです。しかし、「あごのスペースが足りていない」という根本的な原因は解決していないため、時間が経つにつれて歯並びが後戻りしてしまいます。
そこで必要になるのが、「あごの骨を広げる治療」です。これまでも「あごのスペースを広げる小児矯正」自体は存在していて、有名なところでは「床矯正」があります。ですが、床矯正には次のような欠点がありました。
こうしたデメリットなしであごの骨を広げられるのが、当院で行っている「成長発育矯正(顎顔面矯正)」です。歯並びに関するもの以外にも、さまざまな効果が得られる治療方法です。
喘息(ぜんそく)の改善
アトピー性皮膚炎の改善
アレルギー性鼻炎の改善
いびきの改善
睡眠時無呼吸の改善
咀嚼機能の改善
学習能力向上の可能性
「成長発育矯正(顎顔面矯正)」によってあごが拡大されると、歯並び以外にもさまざまな効果が得られるため、健康上の問題が解決できることがあります。ここからは、「成長発育矯正(顎顔面矯正)」によってさまざまな効果が得られる理由についてお伝えします。
「成長発育矯正(顎顔面矯正)」はあごを拡大する治療方法ですが、主に上あごを重点的に拡大します。そのことが、上で述べた副次的な効果にも関係しています。
「上あごが小さい・未発達」な状態では、連鎖的にさまざまな問題を引き起こすことがあります。
①上あごが小さいと鼻腔も狭くなるため、鼻呼吸がしにくい
↓
②鼻呼吸がしにくい状態では鼻の通気路に雑菌が繁殖しやすくなるため、上咽頭炎になる
↓
③上咽頭炎から免疫異常が起こり、鼻粘膜・気管粘膜にアレルギー性の炎症が発生
↓
④アレルギー性鼻炎によって、喘息が悪化することも
↓
⑤脳への酸素供給が減ることで、脳の発達に影響(学力低下)
実は成長発育矯正の主目的の一つは、「鼻呼吸しやすい身体状況を作ること」です。ご存知の通り、鼻呼吸ができないと口呼吸になります。
ですが、いつも口呼吸をしていると、口の中が乾燥するため、雑菌が繁殖しやすくなります。そして、お口で繁殖した雑菌が体内に侵入することで、さまざまな病気を引き起こします。
また、口呼吸は歯並びが悪くなる原因でもあります。口呼吸によって舌が低位になることで、上あごの成長が妨げられてしまうのです。
このように、お子さんの健康と歯並びを守るには、鼻呼吸を習慣づけることがとても大切です。
当院では鼻の通り具合・つまり具合を見て確認できるように、鼻腔通気度計を導入しています。矯正治療によって呼吸も改善されたかどうかを、客観的に知ることができます。
成長発育矯正(顎顔面矯正)の治療では、お口に「急速拡大装置」を装着することで、正中口蓋縫合と呼ばれる部分を広げ、あごの骨の成長を促します。
下の画像のように「ねじ」を回すことで、徐々に装置を広げます。ねじを1回回すと、約0.2mm拡大します。
また、症例によっては「プルオルソ」や「マイオブレース」「T4K(ティーフォーケー)」といった矯正装置を使ったり、「カイロプラクティックの先生と一緒に行うトレーニング」を受けていただくこともあります。
それぞれの装置やトレーニングについて、以下にご紹介します。
「プルオルソ」と「マイオブレース」は、「歯並びを悪くする癖」を改善するための装置で、5~8歳くらいのお子さんに適しています。原因にアプローチすることで、間接的に歯並びを改善していくものです。
歯は「舌・頬・唇の筋肉」のバランスに合わせて生えるので、口周りの筋肉を整えれば、歯並びも正常な位置に導かれていきます。
プルオルソ/マイオブレースは、お口に入れるだけで筋肉が鍛えられ、バランスが整っていきます。また、日中の装着時間が短いので、矯正装置を外してしまうお子さんにも違和感が少なく、食事など生活の妨げにもなりません。
歯並びが悪くなる根本原因から改善するので、治療後の後戻りも少ないです。お口自体の環境は整っているので、あとで新たに矯正治療が必要になったときもラクです。大人になってから矯正を始めるのに比べると治療期間が短くて済み、費用も抑えられます。
前歯が前方に飛び出てしまっている歯並びには、「T4K(ティーフォーケー)」という装置を使用することもあります。こちらもマウスピース型矯正装置の一種で、歯があごの正常な発達を促し、正しい噛み合わせに導きます。
舌の位置と機能、口周りの筋肉の機能を改善する効果も高く、鼻呼吸を習慣づける効果も高いです。こちらも適応年齢は5~8歳くらいです。
歯並びが悪くなる原因の一つに、「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)の機能不全」があります。例えば、「舌癖」もそうです。
舌癖とは、「平常時にいつも、舌が歯に触れている状態」を指します。舌の力はわずかなものですが、弱い力であっても長い時間にわたってくり返し圧力がかかると、歯は動いてしまいます。その結果、歯並びが乱れてしまうのです。
そのため、舌癖のあるお子さんには、トレーニングで癖を改善することで、歯並びの乱れを予防する方法が効果的です。
6歳~7歳頃にスタートできると理想的です。ですが、一般的な「床矯正」に比べると対応できる年齢が広く、中高生くらいまでであれば十分に効果が見込めます。
ですが、開始年齢が低いほどきれいに仕上がりますので、迷われているようでしたら早めに治療を始めるのがおすすめです。
治療期間は数ヶ月程度で完了することもありますが、一般的には2~3年ほどかかります。
装置の装着中は虫歯のリスクが高まるため、歯磨き指導も行います。ですが、ていねいに歯磨きしていただく以外は、普段通りに生活できます。
当院では虫歯予防の対策の一環として、栄養指導も行っています。お子さんの場合は、「シュガーコントロール」が主なテーマです。
砂糖が虫歯の原因になることはみなさんがご存知の通りですが、現代の生活において、砂糖を完全に避けることはほとんど不可能でしょう。
そこで、砂糖によって虫歯ができる仕組みを理解し、砂糖を摂るタイミングなどをコントロールすることで虫歯を防ぐ「シュガーコントロール」という考え方が生まれました。
当院ではシュガーコントロールの考え方に基づき、お子さんの生活習慣や好み、性格に合わせ、リスクに応じた予防プログラムをご提案します。
当院では、小さい患者さんのためのキッズスペースをご用意しています。治療前後の時間をリラックして過ごしていただけます。また、保護者の方が治療を受けているときに、こちらで遊びながらお待ちいただくこともできます。
なお、治療を頑張ったあとには、ちょっとしたご褒美をお渡ししています。これを楽しみ来院されるお子さんもいらっしゃいます。
小児矯正自体は昔から行われていましたが、最近は保護者の方の意識の向上によって、矯正治療を受けられるお子さんが非常に増えています。
矯正治療は歯並びを整えるものですが、「全身の健康」ひいては「お子さんの健やかな成長」にも影響することが広く知られるようになり、歯科医師としてこうした意識の高まりはうれしい限りです。
さて、多くのお子さんを治療していると、「矯正治療は親から子への最高のプレゼントだなぁ」と改めて感じることがあります。未来の健康や、顔立ちにまで影響するものですから、素晴らしい贈り物ですよね。
お子さんが生涯にわたって、より豊かな人生を送れるようにサポートするための方法の一つに、「矯正治療」があります。
当院では相談にお越しになったからといって、無理に治療をおすすめすることは致しません。まずはお口の状態を確認する気持ちで、気軽に受診していただけたらと思います
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。